ドローンの飛行日誌は機体ごと?書き方・携帯ルール・過去の記録まで解説
「飛行日誌って、操縦者ごとに作るの?」「現場には過去の記録を全部持っていくの?」と迷う方は多いと思います。
結論からいうと、航空法上の飛行日誌は操縦者ごとではなく、原則として機体ごとに備えて管理します。紙でも電子でも構いません。
また、紙で管理している場合、過去の飛行記録を最初から全部持ち歩く必要はありません。ただし、直近の点検整備以降の飛行記録・日常点検記録と、すべての点検整備記録は携行するというルールがあります。
この記事では、2026年10月時点の国土交通省の公式資料をもとに、飛行日誌が必要な場面、機体ごとの管理、携帯する範囲、書き方まで初心者向けに整理します。
この記事のポイント
特定飛行を行う無人航空機は、飛行日誌の記載が必要
飛行日誌は原則として「機体ごと」に管理する
飛行日誌は「飛行記録・日常点検記録・点検整備記録」の3つ
紙の場合、過去の飛行記録をすべて現場へ持っていく必要はない
紙でも電子でもよいが、現場ですぐ確認・提示できる状態にしておく
飛行日誌が必要なのはどんなとき?
国土交通省は、特定飛行を行う無人航空機について、飛行日誌を備え、必要事項を記載することを求めています。
特定飛行には、たとえば人口集中地区(DID)上空、夜間、目視外、人または物件から30m未満などの飛行があります。特定飛行以外でも、安全管理のため飛行日誌を記録することが推奨されています。
特定飛行で飛行日誌を備えない、必要事項を書かない、または虚偽の記載をした場合は、航空法に基づき10万円以下の罰金の対象となる場合があります。
飛行日誌は「操縦者ごと」ではなく「機体ごと」
ここが最も間違えやすいポイントです。飛行日誌は、操縦者個人のノートとして作るものではなく、それぞれの無人航空機について、過去の飛行・点検・整備の履歴を追えるようにする記録です。
そのため、同じ操縦者が3機のドローンを使っている場合は、基本的には3機それぞれに飛行日誌を備えます。逆に、1機を複数の操縦者で使用する場合も、その1機の飛行日誌へ記録を積み上げます。
操縦者自身の飛行時間や経歴を管理したい場合は、飛行記録を複写して個人の記録として使うこともできます。ただし、航空法上の飛行日誌そのものの管理単位は機体ごとです。
飛行日誌は3つの記録でできている
記録 | 何を残す? | 記入するタイミング |
飛行記録 | 実際に行った飛行の日時・場所・時間・目的など | 原則1飛行ごと |
日常点検記録 | 飛行前の機体・プロペラ・操縦装置などの点検結果 | 原則1飛行ごと※ |
点検整備記録 | 定期点検、修理、部品交換、改造などの内容 | 点検・修理・改造・整備を行った都度 |
※機体設計者が日常点検の実施頻度を指定している場合は、その指定に従います。

飛行日誌は現場に携帯する必要がある?
はい。無人航空機を飛行させるときは、操縦者が飛行日誌を紙媒体または電磁的記録で携行し、その場で速やかに確認・提示できる状態にしておく必要があります。
電子データの場合は、スマートフォン、タブレット、パソコン、クラウド、専用アプリなどで管理することもできます。国土交通省の様式1〜3に相当する必要事項をまとめて参照・提示できることがポイントです。
管理方法 | 現場で必要な状態 |
紙 | 必要な記録を持参し、その場ですぐ確認・提示できる |
電子データ | 必要な記録を端末等でその場ですぐ確認・提示できる |
クラウド/アプリ | 様式1〜3相当の内容を一括して表示・提示できる |
過去の飛行記録は全部持っていく必要がある?
紙で飛行日誌を管理している場合、過去の飛行記録を最初から全部携帯する必要はありません。ここは安心してよいポイントです。
ただし、記録の種類によって携行範囲が違います。
記録の種類 | 紙で現場へ携行する範囲 |
飛行記録 | 直近に実施した点検整備以降の記録 |
日常点検記録 | 直近に実施した点検整備以降の記録 |
点検整備記録 | すべての点検整備記録 |
それ以前の飛行記録・日常点検記録は、必要になったときに遅滞なく参照または提示できるよう、使用者が適切に保管しておきます。
また、飛行日誌の記載・保管は、原則としてその無人航空機が登録されている間は継続します。
飛行記録には何を書く?
国土交通省の様式では、主に次の内容を記録します。
無人航空機の登録記号
飛行年月日
操縦者の氏名(技能証明を受けている場合は技能証明書番号も記載)
飛行の目的・経路
該当する飛行禁止空域や飛行方法
離陸場所・着陸場所
離陸時刻・着陸時刻
飛行時間
製造後の総飛行時間
飛行の安全に影響があった事項
不具合があった場合の内容と対応
ここでいう「総飛行時間」は、操縦者本人の累計時間ではなく、その機体の飛行時間を積み上げたものです。
飛行記録の書き方|初心者向けの記入例
以下は、国土交通省の記載項目に沿ってNAPAが作成した架空の記入例です。実際の飛行では、ご自身の機体・飛行内容に合わせて記入してください。
項目 | 記入例 |
登録記号 | JUXXXXXXXXXXXX |
飛行年月日 | 2026年10月19日 |
操縦者 | 山田 太郎 |
飛行目的・経路 | 設備点検/離陸場所周辺を飛行し同地点へ帰還 |
特定飛行の内容 | 目視外 |
離陸場所 | 千葉県印西市〇〇 |
着陸場所 | 千葉県印西市〇〇 |
離陸時刻/着陸時刻 | 10:00/10:18 |
飛行時間 | 18分 |
総飛行時間 | 12時間34分 |
安全に影響のあった事項 | なし |
記事(不具合・対応) | なし |
飛行時間は、基本的に離陸から着陸までの滞空時間を1分単位で記録します。
また、同じ飛行計画の中で複数回飛ばした場合でも、原則として1飛行ごとに飛行記録を残します。実際に行った飛行の実績を書くものなので、飛行計画の予定時間と完全に一致させる必要はありません。
日常点検記録と点検整備記録はどう書く?
日常点検記録
日常点検記録には、点検した年月日・場所・実施者・各点検項目の結果・特記事項などを記録します。
機体メーカーが点検項目を指定している場合は、その内容に従います。指定がない場合は、使用する飛行マニュアル等に定めた点検項目に沿って確認します。
点検整備記録
点検・修理・改造・整備を行った場合は、実施年月日・場所・実施者・作業内容・実施理由・総飛行時間などを記録します。
プロペラや部品を交換した場合は、交換した部品名も記録しておくと、あとから機体の状態を追いやすくなります。
国土交通省の様式をそのまま使わないとダメ?
必ずしも国土交通省の様式そのものを使う必要はありません。必要な記載事項がすべて入っていれば、自社様式やアプリなどで管理することもできます。
初めて作る方は、国土交通省が公開している公式様式を使うと分かりやすいです。
よくある質問
Q. 飛行日誌は操縦者ごとに作るのですか?
A. いいえ。航空法上の飛行日誌は原則として機体ごとに備えます。操縦者個人の飛行時間を管理する場合は、飛行記録を複写して活用できます。
Q. 紙の飛行日誌は過去分を全部持ち歩く必要がありますか?
A. 飛行記録と日常点検記録は、直近の点検整備以降の分を携行します。それ以前の記録は、必要時にすぐ参照・提示できるよう保管します。ただし、点検整備記録はすべて携行します。
Q. スマホやタブレットで管理しても大丈夫ですか?
A. はい。電磁的な記録・保管も認められています。現場で必要な記録を速やかに確認・提示できる状態にしておきましょう。
Q. 趣味で飛ばすときも必ず必要ですか?
A. 特定飛行に該当しない飛行では法的な記載義務の対象ではありませんが、国土交通省は飛行日誌を記録することを推奨しています。
Q. 国家資格を持っていれば飛行日誌が必要なのですか?
A. 飛行日誌の義務は、国家資格を持っているかどうかだけで決まるものではありません。特定飛行を行うかどうかが重要です。
Q. 飛行日誌はいつまで保存しますか?
A. 国土交通省の取扱いでは、飛行日誌の記載・保管は、その無人航空機が登録されている間は継続します。
まとめ|飛行日誌は「機体の履歴」を残す安全管理の記録
飛行日誌は、単に操縦者の飛行時間を書くノートではありません。機体ごとに、いつ飛んだか、どんな点検をしたか、どんな整備をしたかを時系列で残す記録です。
特定飛行を行う場合は、飛行記録・日常点検記録・点検整備記録を適切に作成し、現場ですぐ確認できるようにしておきましょう。
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2026年10月更新
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