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2026年9月改正 補助者なし目視外飛行 DID・家屋上空の変更点

【2026年9月改正】補助者なし目視外飛行の審査要領が変更|DID・家屋上空はどう変わった?

執筆者の写真: 株式会社TRIPLE7
株式会社TRIPLE7
10月1日
読了時間: 8分

更新日:10月10日

2026年9月29日、国土交通省は「カテゴリーII飛行に関する許可・承認の審査要領」を改正しました。今回のポイントは、補助者を配置しない目視外飛行で、人又は家屋の密集している地域を飛行経路に含める場合の取扱いが明確になったことです。

ただし、「DIDなら補助者なしで自由に目視外飛行できるようになった」という改正ではありません。何が変わり、何が変わっていないのかを、初めて制度を調べる方にも分かるように整理します。


この記事のポイント

  • DIDで補助者なし目視外飛行が自由になったわけではありません

  • やむを得ず人や家屋の密集地域を飛行経路に含める場合の取扱いが明確になりました

  • 家屋上空の一時的な飛行について、従来の「密集地域以外」という限定がなくなりました


そもそも「補助者なし目視外飛行」とは?

目視外飛行とは、操縦者がドローンを直接目で見続けるのではなく、機体カメラの映像などを用いて飛行する方法です。

通常の目視外飛行では、周囲の安全確認や第三者の立入りを監視するために補助者を配置する場合があります。一方、補助者を配置せずに目視外飛行を行う場合は、補助者が担っていた安全確認を別の方法で確保する必要があります。

カテゴリーII飛行は、特定飛行のうち立入管理措置を講じて行う飛行です。カテゴリーIIでは、第三者上空を飛行しないことが基本となります。


2026年9月29日の改正で何が変わった?

今回の改正で特に注目したいのは、次の2点です。

変更①|密集地域を飛行経路に含める場合の扱いが明確になった

従来、補助者を配置しない目視外飛行では、山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地など、第三者が存在する可能性が低い場所を飛行経路に設定することが原則とされていました。

今回の改正後も、この原則がなくなったわけではありません。国土交通省は、補助者を配置しない目視外飛行の飛行経路について、やむを得ず人又は家屋の密集している地域上空を飛行経路として設定する場合の取扱いを明確化したと説明しています。

つまり、「密集地域を自由に飛べるようになった」というより、「どうしても密集地域を飛行経路に含める必要がある場合に、安全をどう確保するのかという審査上の考え方が明確になった」と理解するのが適切です。


2026年9月改正前後の補助者なし目視外飛行ルートの考え方を示す図
改正前後のイメージ。原則は第三者が存在する可能性の低い経路である点は変わりません。

変更②|家屋上空から「密集地域以外」という限定がなくなった

もう一つ重要なのが、家屋上空の扱いです。

従来は、「人又は家屋の密集している地域以外の家屋上空」における離着陸時などの一時的な飛行という限定がありました。

現在の取扱いでは、家屋上空の通過について「一時的な飛行」という考え方が示され、従来の「密集地域以外」という限定がなくなっています。

ただし、「家屋上空ならどこでも飛べる」「住宅街の上を長時間飛び続けられる」という意味ではありません。密集地域を経路に含める場合には、第三者上空とならないための安全確保が別途必要です。


家屋上空を一時的に通過する補助者なし目視外飛行のイメージ図
「家屋上空の一時的な通過」のイメージ。家屋上空を長時間飛び続けることを示すものではありません。

補助者なし目視外飛行の条件確認フロー

今回の改正後も、DID内を自由に飛べるわけではありません。補助者なし目視外飛行では、DIDを飛行経路に含める必要性と、安全確保措置を順番に確認していくことが大切です。

補助者なし目視外飛行の条件確認フロー。DIDを経路に含める場合の判断と安全確保措置
補助者なし目視外飛行の条件確認フロー(今回の改正内容を理解しやすく整理したイメージ)

※この図は、今回の改正内容を理解しやすく整理したイメージです。DID内を自由に飛べるという意味ではありません。実際の飛行では、個別の飛行内容に応じた許可・承認審査が必要です。


「DIDで飛べるようになった」と考えてはいけない理由

今回の改正だけを見ると、「これで東京などの住宅街でも補助者なし目視外飛行ができるのでは?」と感じるかもしれません。しかし、その理解は正確ではありません。

カテゴリーII飛行では、第三者上空を飛行しないことが前提です。人や家屋が密集している地域を飛行経路に含める場合でも、第三者上空を飛行させないための安全措置が必要です。

さらに国土交通省は、補助者を配置しない目視外飛行は「場所を特定した」申請として許可・承認を得る必要があると案内しています。包括申請などの許可・承認をすでに持っている場合でも、個別の申請手続きが必要です。

したがって、今回の改正は「DIDが解禁された」というものではなく、密集地域をやむを得ず経路に含める場合の審査上の取扱いが整理されたものと考えると分かりやすいでしょう。


「DID」と「人又は家屋の密集している地域」は完全に同じ?

一般には「DID(人口集中地区)」という言葉がよく使われますが、国土交通省の審査要領では「人又は家屋の密集している地域」という表現が使われています。

また、2026年6月30日からは、都市計画法上の工業専用地域の区域が「人又は家屋の密集している地域」から除外される区域として指定されています。

そのため、地図上でDIDに含まれているからといって、すべてを同じ扱いと考えるのではなく、実際の飛行・申請時には最新の区分を確認する必要があります。


具体例で見るとどう変わる?

飛行の例

考え方

DIDではない地域で家屋上空を一時的に通過

従来から一定条件のもとで審査対象

密集地域内で家屋上空を一時的に通過

従来の「密集地域以外」という限定がなくなり、安全措置を前提とした取扱いが明確化

飛行経路の一部にやむを得ず密集地域が含まれる

第三者上空を飛行させない安全措置を講じることを前提に審査対象になり得る

DID内の住宅地を補助者なし目視外で長距離飛行

今回の改正だけを理由に自由に飛行できるわけではない

経路下の第三者を管理できず、その上空を特定飛行

カテゴリーIIの前提とは異なり、カテゴリーIIIの検討が必要


たとえば、密集地域内にある建物を撮影するため、飛行経路の一部分だけ家屋上空を通過する必要があるケースを考えます。家屋上空の通過が一時的で、飛行経路全体について第三者上空を避ける安全措置を講じるなど必要な条件を満たす場合には、今回明確化された審査上の取扱いの対象になり得ます。

一方、「家屋上空を通過できるから、そのまま住宅街の上を長距離飛ばせる」という意味ではありません。


密集地域で求められる安全確保措置とは?

今回の改正で重要なのは、密集地域を経路に含めることそのものより、第三者への危害を防ぐための安全をどう確保するかです。

  • 飛行経路や周辺の状況を事前に確認する

  • 不測の事態に備え、緊急時の対応手順を定める

  • 安全に着陸できる場所をあらかじめ選定する

  • 第三者が飛行経路へ立ち入らないよう立入管理を行う

  • 航空機や周辺状況を確認できる体制を整える

実際に必要となる安全措置は、飛行場所、機体、飛行方法などによって異なります。実際の申請では、最新の審査要領とDIPS2.0の案内を確認し、個々の飛行計画に応じて整理する必要があります。


包括申請を持っていれば飛べる?

いいえ。補助者を配置しない目視外飛行は、包括申請だけでそのまま実施できる飛行ではありません。

国土交通省は、補助者を配置しない目視外飛行について、場所を特定した申請として飛行許可・承認を得る必要があると案内しています。包括申請を含む許可・承認をすでに取得している場合でも、個別に申請手続きが必要です。


よくある質問

Q1.今回の改正でDID内を補助者なしで目視外飛行できるようになった?

DID内を自由に飛行できるようになったわけではありません。

原則は第三者が存在する可能性の低い経路であり、やむを得ず密集地域を含める場合に、安全措置を講じることを前提とした取扱いが明確になりました。

Q2.家屋上空は自由に飛べるようになった?

いいえ。家屋上空については「一時的な飛行」が前提です。

今回、「密集地域以外」という従来の限定がなくなりましたが、長時間・長距離にわたって家屋上空を自由に飛べるという意味ではありません。

Q3.第三者の真上を飛行してもいい?

カテゴリーII飛行では、第三者上空を飛行しないことが基本です。

第三者上空で特定飛行を行う場合は、カテゴリーIIIの要件を検討する必要があります。

Q4.包括申請があれば追加申請は不要?

いいえ。補助者なし目視外飛行は場所を特定した申請が必要です。

包括申請などを取得済みでも、補助者なし目視外飛行については個別に申請手続きを行う必要があります。

Q5.今回の改正で一番大きく変わった点は?

密集地域を含む補助者なし目視外飛行について、審査上の取扱いが明確になったことです。

あわせて、家屋上空の一時的な飛行について、従来あった「密集地域以外」という限定がなくなっています。


まとめ|「DID解禁」ではなく、飛行経路の考え方が明確になった

2026年9月29日の改正について、一番大切なのは「補助者なし目視外飛行でDIDを自由に飛べるようになった改正ではない」ということです。

  • やむを得ず人や家屋の密集地域を飛行経路に含める場合の取扱いが明確になった

  • 家屋上空の一時的な飛行について、従来の「密集地域以外」という限定がなくなった

一方で、第三者上空を避けること、立入管理を行うこと、飛行場所を特定して必要な許可・承認を得ることなど、安全確保の基本がなくなったわけではありません。

制度の一文だけで判断するのではなく、「どこを飛ぶか」「誰が下にいる可能性があるか」「異常時にどう安全を確保するか」まで含めて飛行計画を考えることが重要です。


国土交通省の最新情報を確認する

今回の改正内容と最新資料は、国土交通省「無人航空機の飛行ルール」および「無人航空機の飛行許可・承認手続」で確認できます。実際に飛行・申請を行う際は、必ず最新資料をご確認ください。

最終更新:2026年10月1日/参照:国土交通省公開資料


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