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企業でドローンを導入するには?操縦者・補助者・安全管理の役割と準備

執筆者の写真: 株式会社TRIPLE7
株式会社TRIPLE7
3 時間前
読了時間: 8分

企業でドローンを導入するとき、「まず社員に資格を取らせよう」と考えるケースは多いと思います。


資格や操縦技術はもちろん大切です。ただ、実際の業務で安全に使い続けるには、誰が飛ばすかだけでなく、誰が周囲を確認し、誰が飛行可否を判断し、異常時にどう動くかまで決めた運用体制が必要です。


国土交通省のルールでも、飛行マニュアルには操縦者と補助者の役割分担、安全管理体制、事故時の連絡体制などを定める考え方が示されています。


この記事では、これから社内でドローンを導入したい企業の担当者向けに、操縦者・補助者・安全管理の役割と、導入前に準備したいことを分かりやすく整理します。


この記事のポイント

  • 企業のドローン導入は「資格を持つ人を作る」だけではなく、運用の仕組みまで決める

  • 操縦者・補助者・社内の安全管理担当の役割を飛行前に明確にする

  • 飛行可否の基準、緊急時の連絡、点検・記録までルール化すると属人化を防ぎやすい


企業のドローン導入で最初に決めること


最初に機体を買うのではなく、まず「何の業務で、どこで、どのくらいの頻度で使うのか」を整理します。


確認すること

具体例

利用目的

屋根・外壁点検、測量、空撮、設備点検、警備、災害対応など

飛行場所

自社敷地、工事現場、住宅地、山間部、施設内など

飛行方法

目視内/目視外、昼間/夜間、自動飛行など

運用頻度

月1回、毎週、日常業務として毎日など

社内体制

操縦者、補助者、承認者、機体管理者、連絡先

記録と見直し

飛行日誌、点検記録、ヒヤリハット、定期的なルール見直し


この整理ができると、必要な機体、資格、限定変更、許可・承認、研修内容、人数が見えやすくなります。


資格を取れば、そのまま企業運用できる?


国家資格は、操縦者の知識や技能を証明する大切な制度です。一方で、国家資格だけで企業の運用体制が完成するわけではありません。


飛ばす場所や方法によっては、機体認証、飛行許可・承認、飛行マニュアル、飛行計画の通報、飛行日誌など、別の準備が必要になる場合があります。


また、国家資格が必須ではない飛行であっても、会社として業務に使うのであれば「誰の判断で飛ばすのか」「どんな条件なら中止するのか」「事故や不具合が起きたら誰へ連絡するのか」を決めておくことが重要です。


操縦者・補助者・安全管理担当の役割


以下は、企業で運用体制を作るときの役割分担の一例です。すべての飛行で法律上この3役を置く必要がある、という意味ではありません。飛行方法やリスクに合わせて必要な体制を設計します。


役割

主な仕事

操縦者

機体の操作、飛行前確認、飛行中の判断、異常時の対応、飛行後の記録

補助者

第三者・有人機・周囲の状況・気象などを監視し、必要な情報を操縦者へ伝える

安全管理担当/運用責任者

飛行条件や中止基準の設定、役割分担、許可・承認やマニュアルの管理、緊急連絡体制、教育・振り返り


特に補助者は、単に操縦者の隣に立つ人ではありません。第三者の接近、周囲の航空機、機体の挙動、天候の変化など、操縦者だけでは見切れない情報を補います。


なお、飛行方法によっては補助者を置かない運用が可能な場合もあります。必要な安全措置は飛行カテゴリーや飛行方法によって変わるため、実際の運用条件に合わせて確認してください。


JR関係者とNAPAのドローンチームが大型物流ドローンの飛行前に安全確認を行う様子
大型物流ドローンの実証前に行った安全確認。企業運用では、操縦技術だけでなく、飛行前に役割・リスク・中止条件をチームで共有することが重要です。

安全管理担当は「飛ばす・飛ばさない」を決められる状態に


企業運用では、操縦が上手な人に判断をすべて任せると、担当者が休んだときや人事異動があったときに運用が止まりやすくなります。


そこで重要になるのが、GO/NO-GOの判断基準を会社として決めておくことです。


  • 風速・雨・視程など、飛行できる気象条件

  • 機体・バッテリー・プロペラ等の点検基準

  • 操縦者の体調や技能の確認

  • 飛行区域に第三者が入った場合の中止条件

  • GNSS・通信・機体に異常が出た場合の対応

  • 事故・重大インシデント・機体紛失時の連絡先


2026年には、気象・空域・操縦者の健康・機体の日常点検などを順番に確認し、GO/NO-GO判断とその根拠を組織として記録する運航管理サービスも登場しています。業界全体でも、個人の経験だけに頼らず、判断を標準化して残す方向が強まっています。


企業で作っておきたい「運航ルール」


運用を始める前に、少なくとも次の内容を社内で決めておくと、現場ごとの判断がぶれにくくなります。


項目

決めておきたい内容

使用機体

誰が管理するか、点検・整備・アップデートをどう行うか

操縦者

誰が飛行できるか、技能維持をどう確認するか

補助者

必要な飛行で誰を配置し、何を監視するか

飛行前確認

天候、空域、周辺環境、機体、バッテリー、飛行計画

中止基準

風・雨・第三者立入・通信異常など、どの条件で中止するか

申請・記録

DIPS、飛行計画、飛行日誌、点検記録を誰が管理するか

緊急対応

墜落・接触・紛失・負傷などが起きた際の連絡手順


社員研修は操縦者だけでなく、補助者・管理側にも


社内パイロットだけがドローンのルールを理解していても、現場全体が同じ認識でなければ安全な運用は難しくなります。


たとえば、補助者が「何を見ればよいのか」を知らない、現場責任者が中止判断の基準を知らない、機体担当者が点検履歴を残していない、といった状態では、操縦者に負担が集中します。


そのため法人研修では、操縦技術だけでなく、役割分担・飛行前ブリーフィング・リスクの洗い出し・緊急時対応・記録までチームで共有できる内容にすると実務へつなげやすくなります。


NAPAが実務で大切にしている「飛行前の共有」


NAPAを運営するTRIPLE7は、点検・空撮・高所の高圧洗浄・自動巡回など、実際のドローン業務を行っています。


安全教育は、元JAL国際線パイロットとして20年の経験を持つ岩岡真吾が監修。実務チームではTEM(Threat and Error Management)の考え方を取り入れ、飛ぶ前に、その日の脅威や起こり得るエラーをチームで共有し、先に対策を決めることを重視しています。


NAPAドローンアカデミーで岩岡真吾が安全管理とCRMの講習を行う様子
NAPAでは、航空分野の安全管理の考え方をドローン教育・実務に取り入れています。

重要なのは、専門用語を覚えることではなく、「誰か一人が気づけばよい」ではなく、チームで気づき、声を出し、必要なら飛ばさない判断ができる状態を作ることです。


企業導入は7つのステップで考える


  1. 目的を決める:何の業務をドローンで変えたいか整理する

  2. 現場を確認する:飛行場所・周辺環境・必要な飛行方法を確認する

  3. 機体を選ぶ:業務・環境・運用頻度に合う機体を選定する

  4. 人を育てる:操縦者だけでなく補助者・管理側も必要な知識を共有する

  5. 運用ルールを作る:役割・中止基準・点検・記録・緊急連絡を決める

  6. 実証する:小さく試し、実際の現場で課題を洗い出す

  7. 見直す:運用後のヒヤリハットや現場の声を反映してルールを更新する


最初から完璧な仕組みを作ろうとするより、対象業務を一つ決めて小さく始め、実証と見直しを重ねる方が社内に定着しやすくなります。


NAPAの法人向け支援でできること


NAPAドローンアカデミーでは、単に社員の方が国家資格を取るための講習だけでなく、企業の利用目的に合わせた導入支援を行っています。


  • まとまった人数での国家資格講習・出張講習

  • 企業の利用目的に合わせた操縦・実務研修

  • 業務に合わせた機体選定のアドバイス

  • 運航体制づくり

  • 運航マニュアル・運航規約等の作成支援

  • 飛行申請の支援

  • 必要に応じた実際の現場への同行支援


資格取得だけで終わらず、その企業が実際にドローンを業務で使える状態を目指して、導入から運用まで一緒に整理します。



よくある質問


Q. 企業でドローンを使う社員は全員、国家資格が必要ですか?


A. いいえ。国家資格が必要かどうかは、飛行する場所・方法・カテゴリーなどによって変わります。まずは実際に行いたい業務と飛行内容を整理して判断します。


Q. 補助者は必ず配置しなければいけませんか?


A. すべての飛行で必ず必要というわけではありません。飛行方法や講じる立入管理措置などによって必要な体制が変わります。


Q. 安全管理責任者という役職を必ず置く必要がありますか?


A. すべての企業に同じ名称の役職を置くことが一律に求められているわけではありません。ただし、業務として運用するなら、飛行可否・ルール管理・緊急時対応を誰が責任を持って判断するかは明確にしておくことをおすすめします。


Q. 社員研修では何を教えるとよいですか?


A. 操縦技術だけでなく、航空法の基本、飛行前確認、補助者の役割、リスク評価、中止判断、緊急時対応、飛行後の記録まで含めて研修すると、社内運用につなげやすくなります。


Q. 機体を買ってから相談してもよいですか?


A. 可能ですが、導入前であれば業務目的から機体・必要な資格・運用方法を一緒に整理できるため、不要な機能や過不足のある機体選定を避けやすくなります。


まとめ|企業導入は「人・機体・ルール」をセットで考える


企業のドローン導入で大切なのは、操縦できる社員を一人作ることだけではありません。


操縦者・補助者・管理側の役割を決め、飛行前確認、中止基準、点検、記録、緊急対応まで組織のルールにする。この仕組みがあることで、特定の個人に依存せず、業務として継続しやすくなります。


NAPAでは、資格取得から機体選定、運航マニュアル、実証、運用後の見直しまで、法人のドローン導入を伴走型で支援しています。



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2026年10月更新

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