ドローンの飛行禁止エリアが1,000mに拡大|2026年7月の法改正をやさしく解説
更新日:10月11日
2026年7月14日から、ドローンを飛ばせない場所が大きく広がりました。国の重要な施設や空港のまわりで、飛ばせない範囲が 300mから1,000m に。しかも、そのまわりを飛ばしただけで 罰則 の対象になります。国家資格を持っていても、飛行許可を取っていても、関係ありません。
この記事のポイント
飛ばせない範囲が、施設の敷地の端から300m → 1,000mに広がりました
まわり(黄色の場所)を飛ばしただけでも、罰則の対象になりました
国家資格や飛行許可があっても、この決まりは変わりません
まず、この地図を見てください
この地図は、東京の都心です。
赤い場所:国の重要な施設そのもの
黄色い場所:そのまわり1,000m
千代田区と港区は、ほとんど黄色に入っています。東京の真ん中は、ほぼドローンを飛ばせないということです。
赤い場所も黄色い場所も、決まった手続きをしないと飛ばせません。
変わったのは、2つだけ
前 | 今(2026年7月14日から) | |
① 飛ばせない範囲 | 敷地の端から 300m | 敷地の端から 1,000m |
② 黄色い場所で飛ばしたら | 罰則なし(警察の命令に従わなかったときだけ) | 罰則あり |
違反したときの罰則は、こうなっています。
場所 | 罰則 |
赤い場所(施設そのもの) | 1年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金 |
黄色い場所(まわり1,000m) | 6月以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金 ← 今回できた |
警察官は、ドローンをどかすよう命令できます。どうしても必要なときは、飛行を止めたり、機体を壊したりすることもできます。
出典:警察庁「令和8年の小型無人機等飛行禁止法改正内容」、警視庁「小型無人機等飛行禁止法について」
1,000mはどこから?建物の中心からではありません
よく聞かれるのが「1,000mって、どこから数えるの?」です。答えは、施設の敷地・区域の「端」から です。建物の中心から半径1,000mの円、ではありません。
法律の言葉では「対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね1,000メートルの地域」。つまり、敷地そのものと、その外側に広がる1,000mまでが対象です。
距離をはかる起点は、敷地・区域の端(外周)です
だから禁止エリアの形は、敷地の形をなぞって外へ広がった形になります。三角形の敷地なら三角に近い形、細長い敷地なら細長い形です
敷地が広い施設ほど、禁止エリアも広くなります
空港や自衛隊の施設は、とくに広くなります
空港・自衛隊の施設・原子力事業所は、敷地そのものが広い場所です。その端からさらに1,000m。地図で見ると、思っていたよりずっと広い範囲になります。
「あの建物から1キロくらいだから大丈夫」という数え方は、危ないです。公開されている地図で、飛ばす場所が色のついた範囲に入っていないか を確かめてください。
どんな施設のまわりが、飛ばせないの?
大きく5つです。
種類 | たとえば |
国の大事な施設 | 国会議事堂、総理大臣官邸、最高裁判所、皇居 など |
外国の施設 | 大使館 など |
防衛の施設 | 自衛隊の施設、在日米軍の施設 |
空港 | 国が指定した空港 |
原子力の施設 | 国が指定した原子力事業所 |
東京だけの話ではありません。空港や自衛隊の施設、原子力の施設は全国にあります。地方でも、思わぬところが範囲に入っていることがあります。
「国家資格があるから大丈夫」は、通用しません
ここが一番、勘違いされやすいところです。
ドローンのルールには、2つの別々の法律があります。
航空法 | 小型無人機等飛行禁止法(今回の話) | |
担当 | 国土交通省 | 警察庁 |
守っているもの | 空の安全、地上の人や物 | 国の重要な施設 |
国家資格や飛行許可 | 役に立つ | 関係なし |
たとえるなら、運転免許を持っていても、「立入禁止」の場所には入れないのと同じです。国家資格は「上手に安全に飛ばせる」という証明。でも、「ここには入らないで」と決められた場所は、別の話です。
どうしても飛ばしたいときは
施設の管理者から 同意 をもらい、飛ばす前に 都道府県公安委員会などへ通報 します。航空法の手続きとは、まったく別のものです。
100gより軽いドローンも、ダメです
航空法では、100g未満の小さなドローンは登録などがいりません。でも、この法律は 重さに関係なく 対象です。
「航空法の無人航空機では、100グラム未満の機器は除外されていますが、本法では重量の制限はありません。」(神奈川県警察「小型無人機等飛行禁止法について」)
「おもちゃみたいなドローンだから大丈夫」は通用しません。旅行先や観光地で、気軽に飛ばすときほど気をつけてください。
飛ばす前にやること、3つ
私たちの実務チームは、飛ぶ前に「この現場に、どんな危険が潜んでいるか」をチームで洗い出します。航空業界で当たり前に行われている安全管理の考え方です。範囲が1,000mに広がって、「まわりに何があるか」を確かめる大切さは、ぐっと増しました。
1. 地図で確かめる
警察庁、各都道府県の警察、国土交通省(空港)、防衛省(防衛の施設)のサイトに、範囲の地図がのっています。飛ばす場所が決まったら、まずここを見てください。
2. 「見えないから大丈夫」と思わない
1,000mは、歩いて15分ほどの距離です。施設が見えない場所でも、範囲に入っていることはよくあります。
3. 迷ったら、飛ばさない
分からないときは、その地域の警察に聞いてください。確かめられないまま飛ばさないことが、いちばんの安全です。
よくある質問
Q. 1,000mは、どこから数えるのですか?
施設の敷地・区域の端からです。法律では「対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね1,000メートルの地域」と書かれています。建物の中心からの半径ではありません。
Q. 敷地の形によって、禁止エリアの形は変わりますか?
変わります。敷地の形をなぞって、外へ1,000m広がった形になります。三角形の敷地なら三角に近い形、細長い敷地なら細長い形です。敷地が広い施設ほど、エリアも広くなります。
Q. 国家資格を持っていれば、1,000m以内でも飛ばせますか?
いいえ。国家資格や飛行許可は関係ありません。飛ばすには、施設の管理者の同意と、都道府県公安委員会などへの事前の通報が必要です。
Q. いつから変わったのですか?
2026年7月14日からです(2026年6月17日に成立、6月24日に公布)。すでに対象だった485の施設も、7月14日から1,000mの範囲になっています。
Q. 100gより軽いドローンも対象ですか?
対象です。この法律は、ドローンの重さに関係なく当てはまります。
Q. 違反するとどうなりますか?
施設そのものの上を飛ばすと、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。まわり1,000mを飛ばすと、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
Q. 範囲はどこで調べられますか?
警察庁、各都道府県の警察、国土交通省(空港)、防衛省(防衛の施設)のサイトで、地図が公開されています。
まとめ
2026年7月14日から、飛ばせない範囲が施設の敷地の端から1,000mに広がりました
1,000mの起点は敷地の端。建物の中心からの半径ではありません
まわりを飛ばしただけでも、罰則の対象です
国家資格や飛行許可があっても、関係ありません
100gより軽いドローンも対象です
ルールを知っていることと、現場で当てはめられることは、別のものです。飛ばす前に、地図で確かめる。そのひと手間が、自分とまわりの人を守ります。
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出典:警察庁「小型無人機等飛行禁止法関係」「小型無人機等飛行禁止法に関する警察からのお知らせ」「令和8年の小型無人機等飛行禁止法改正内容」、警視庁「小型無人機等飛行禁止法について」、神奈川県警察「小型無人機等飛行禁止法について」、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律。最新の情報と範囲は、必ず警察庁・各都道府県警察のサイトでご確認ください。
2026年9月更新/安全教育監修:岩岡真吾
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